押し入れの中

押入れの中

20180913

何度も記した砂の上

波にさらわれて

 

旗のない棒が震えていた

空ばかり見ている

 

ブリキの渡り鳥

朝日に消えていく

 

風を背中に受けるといい

孤独は叫ぶうちに忘れてしまう

 

永遠の帳が明けていく

影も落とさず飛んでいく

砂が熱を帯びていく

じきに走り出す

海の色も忘れる

 

風を背中に受けるといい

鳥は優しい目をしている