押し入れの中

押入れの中

20181224

音もなく降り積もる
とても短い日々だった
涙が星を数えている
君が笑えばいいのに

誰かにうたっていたものが
誰にも届くのは何故だろう

傘と煙

うんざりするほど遠い
雲がまた君を連れていく
紙が水に溶けて
頼りない傷を埋め尽くす

ここはとても静かで
閉じては帰る月を見ている
ここはもても静かで
誰かに届いたうたが
胸の中でこだましている

君が笑えば
灯のように佇んで
そっとかすかに
空から降る手紙のように
世界は幸運で満ち溢れている